Carl Cox 引退なのか


先日、ダンスミュージック界を驚かせるショックキングなニュースが世界中を駆け巡った。

この15年間、Space Ibiza のキングとして、イビサのダンスミュージックシーンに多大なる貢献を果たしてきたイビサの顔 Carl Coxが、来年の夏を最後に Space Ibiza のレジデンシーを終えることを表明した。

彼がこの決断に至った背景には、2017年から Space が Ushuaia の傘下として運営されていく事にある。

Spaceを去る事、そして、今のダンスミュージック業界について、Carl Coxは次の様にメディアに語った。

CarlCox-2

Carl Cox:
「良き時代は、終わりを迎えようとしている。
既に皆も知っているように、今後 Space は、Ushuaiaのオーナーによって運営されていく事になった。

将来、それが良い結果を招こうと、悪い結果を招こうと、僕はその大きな変化の流れの一部にはなりたいとは思わないし、関わって行きたいとも思えないんだ。

仮に、僕が Ushuaia と改めて契約し、Ushuaia Club の傘下に置かれる Space で、今後も活動して行くとしたら、正直そこで、僕が何をすれば良いのか見えてこない。そして、新しい経営者達が、僕に何を要求してくるのかも分からない。

たとえ、僕がこの15年間やってきた事を続けるとしても、今後はその未来が、どう変化してしまうのかが、問題となってくるんだ。

そして、これまでずっと一緒に成長してきた Space に対しても忠義を尽くしたいと思っているし、これをきっかけに、一冊の本のチャプターを終わらせる事で僕は納得しているよ…

今のダンスミュージック業界に対しても、色々と思うところはあるんだ。

そこら中に、信じられないくらい優秀なDJがいるのにも関わらず、彼らが、世に注目される事のない時代となってしまっている。
今ダンスミュージック業界が直面している一つの問題は、フェスティバルが、流行や人気コンテストのショーパーティーの様になってしまっている事だ。

仮に、今の状況で、僕と君がフェスティバルを開催するとしよう。

まず、最初に僕たちがやることは、DJランキングで TOP 10 以内に入っているDJ達のブッキング。
Top DJ達は、USD$200,000(約2400万円)は要求するだろう。
そして、これだけの大金を払っても、彼らがプレイをするのは、最大でもたった1時間から1時間半。
それだけだ。

そんな短時間で、一体、僕たちは彼らのどんな才能を見出せばいいんだい?
そこには何もない…

なぜなら、根本的にそのフェスティバルは、ただのポップ(人気や流行り)コンテストショーになるからなんだ。」

Carl Cox 3

 

また、Carl Cox は自分自身についても語った。

「僕は、いつも皆にこう言うんだ。
僕が汗をかいてプレイをしていなかったら、仕事をサボっているんだ。ってね。

でも、正直言うと、自分が70歳になった時、今と同じレベルのプレイが出来るのか、想像がつかない。
もしかしたら、大丈夫かもしれないけどね!
70歳になったって、今の様に2万人の人達をクレイジーに踊らせられるのかもしれない。
僕がその頃どうなっているかなんて、誰も分からないよ!

僕は、これまでの多くのものを犠牲にしてきた。
家族、愛、自分の健康、そして、大切な友情。

僕は、毎週末2万人もの人々と一緒に踊って、音楽を楽しんできた。

でも、その輪から離れた時、僕の周りには誰もいないんだ。」

 

30年以上も世界中の人々を熱狂させてきたベテランDJの率直な意見には、いつも重みがある。

Spaceのレジデンシーを終えるに至った決断の背景、彼が見る今のダンスミュージック業界、そして、一流を目指せば必ず付き纏う孤独。

いつか、Ibizaへ行きたいと思っていた人は、来年2016年こそがその時なのかもしれない。

15年に渡って、Ibizaのシーンに貢献してきた伝説のDJ Carl Cox の Space レジデンシー時代の幕が下ろされる。

まだ、引退表明はないが、メディアに語る彼の言葉からは、Space のレジデンシーを終えると共に、どこかでDJの引退を考えているようにも感じさせられる。

もし、彼が引退するとなれば、世界は、ダンスミュージック史上、最も優秀なDJの一人を失うことになる。

来年の夏が、伝説のDJのプレイを聴ける最後となるならば、これは絶対に見逃すことはできない。

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